Mind                                           想い


 

 小さな布を花びらに切る。

こてを当てて、形をつけると、なんだか、少し息でもしだしたかのようだ。
花芯を中心にその花びらを集めると、また少し、笑うかのようだ。
 
 そんな「変化」を、なぜか飽きずに来た。
時には面倒にもなりながら、
またそこを乗り越えると、あたらしいものが見えてくるものだから、
前に進むという意識もなく、今はここにたどり着いてしまった。

 

 学校を出て、コサージュメーカーに入った。
DCブランドのコサージュデザイナーをやった。

花柄のロマンチックな服にたっぷりの小花のコサージュをずいぶんと作った。

パリコレや東コレの華やかにステージを飾る作品も作った。

 けれど、私は、ファッションという流れの早い世界に違和感を感じ始めていた。

私がやりたいのは、「手芸」だと気が付いた。 

 

 何でも手作りしてくれる母がいて、その温かみの中で育った。

どんくさいと思うこともあったし、今もそう思うけれど、それが何より、今の私を作っている。 

                     

母27歳
母27歳

 母は、私のピアノの発表会にコサージュを作り、
かぎ針で編んだレース編みのワンピースを着せてくれた。

 

手芸のある暮らしが、どれだけ豊かなことだろうか。

生み出す楽しみ、作る経過を見届ける楽しみや、完成の喜び。                                                         

2人してぶっきらぼうな性格だが、生活に実感があるというのは、こういうことだと思う。
 

 

 

 

 

 

 

Copyright© 2013 Noriko Endo. All Rights Reserved.